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流星ワゴン 原作 ネタバレ

1月から始まるドラマ、「流星ワゴン」の原作を読んでみた。
重松清さんの本は、さすが泣ける。
父と息子の関係を描かせたら最高だと思うのだ。


ドラマでは主人公の一雄役に西島秀俊さん。
一雄の父親役に香川照之さん。
え?香川さんが西島さんの父親ってちょっと設定無茶すぎない?
って思ったけど、原作読んで納得。


一雄と父、そして一雄の妻と息子、それからオデッセイで迎えにくる橋本さん親子。
一雄をとりまく親子関係が色々事情がある中で、
どうやって親に、そして息子に向き合っていくのかが描かれている。


橋本さん親子は幽霊だし、一雄の父親も一雄と同い年だから
現実では絶対あり得ない設定なのだけど、
こんなにも感動的で最後にヤラレタ!って思えるストーリーがほんと素晴らしい。



一雄は、死んでもいいと思っていた。
息子は中学受験に失敗して家庭内暴力に引きこもり。
妻にも離婚を言い渡された。
一雄自身もリストラされ、父は病で死を目前にしている。
八方ふさがりの現実に途方に暮れていると、
ワインレッドのオデッセイが一雄の前に止まるのだ。


オデッセイには橋本さん親子が乗っていて一雄を迎えに来たのだ。
橋本さん親子は、5年前に自動車事故で死亡している言わば幽霊なのだ。
この車は、ガソリンではなくて人の「後悔」を乗せて走る車だ。
そして、車は一雄の過去の大切な分岐点に戻るのだ。
するとそこは、自分と同じ38歳の父親、チュウさんもいる世界だった。


チュウさんは、父でもなく親子でもなく「朋輩」として一雄に寄り添ってくれる。
だけど、過去に戻ったからと言って現実の状況が変わるわけではないのだ。
妻がテレクラで複数の男性と関係していることを知ってしまったり、
一雄にとっては知りたくない生々しい現実も目の当りにさせられる。
だけど、この先訪れる現実を知った上で、
もう一度家族をやり直しできるように現実から逃げずに、
少しでも後悔しないですむように今できる最善と思えることをできる限りやる一雄だった。


現実の父親との関係もぎくしゃくしていた一雄だったのだけど、
朋輩のチュウさんとも心を開くことができ、
結局はあのサイテーでサイアクな現実に戻ることを決心するのだ。


現実に戻った一雄は、ほんのほんの少しだけど、家族と歩み寄れることができ、
仕事を探しにいくこともできるようになったのだ。
そして、サイテーでサイアクな現実に戻って5日目に父親が死んだ。


一雄の現実に直面した絶望もつらいのだけど、
幽霊の橋本さん親子にも泣かされる。
健太君という子どもは小生意気だけどものすごくかわいいのだ。
ドラマでは健太役に子役の高木星来クン。
いやー、ぴったりのキャストだなあ。
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健太君は奥さんの連れ子なんだけど、橋本さんが事故ったせいで健太君まで死ぬことになったのだ。
そのことを幽霊になってからもずっと後悔している。
健太君には早く成仏させてあげたいと思うのだけど、
健太君は結局成仏せずに父と一緒にドライブを続けることを選択するのだ。
ここにも一雄とは違うもうひとつの親子の事情があって、
とっても暖かい気持ちになれるいい作品だった。


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